10月31日、この日は名古屋港のイルミネーションの点灯式
そして、それを記念しての創作花火大会、
開催が午後7時からということで、その前に船を出して鳥羽まで足を伸ばしてみました。
何故、船が浄化されているのかって・・・?
事故の報告書
平成27年10月31日
午後3時15分頃、
三重県鳥羽市浦村町の美浦荘を出港、名古屋港に向かう。
午後4時頃、
鳥羽湾から伊勢湾に入り、天気は快晴でしたが、海上は北からの風が強く、波高も2m近く、白波が立っていました。
進路をほぼ0°(真北)に取り、船首からの波がFB(フライブリッジ)までもかぶる状態でしたので、同乗者(5名、クルー3名)をキャビン内に入れ、メインキャビンで操船することにし、日没、陽があるうちに、名古屋港に到着することを目指し北進していました。この時の艇速は15ノット程でした。
突然、船底付近で何かが当たりこすれるような音が断続的に5秒ほど響きました。
慌てて、エンジンを中立し、艇速を落とし、何が起こったのかを推測しましたが、わかりません。
そこで、再度、ゆっくりと前進させると、艇速が上がり10ノット程になると又、同じ異音が発生、そんなことを数回繰り返した時、船首に備え付けているアンカーが何らかの理由で走錨したのではないかと思いつき、クルーを船首に行かせ、確認したところ、アンカーチェーンが船首からぶら下がっているのを確認し、引き上げたところ、先端の30KGアンカーは欠落し、アンカーチェーンが切れていました。
その後、前進、艇速を15ノットまで上げたところ、異音がしないのを確認し、名古屋港を目指しました。
午後5時15分
名古屋港高潮防波堤を越え、名古屋港内に入り波もおさまり、しぶきも上がらなくなったので、夜間航行の危険を避ける為、FBに上がり操船すべく、エンジンを中立にし、FBに上がりました。
アクセルをFBに切り替え、微速にて前進させた所、右舷側のエンジンがストール。
おかしく思い、再度エンジンをスタート、ギアを前進に入れると何かを巻き込むような音が一瞬し、又してもエンジンがストール。
そんな事を数回繰り返した所で、スクリューに何かが巻きつき右舷エンジンが使用できないと判断しました。
その後、左舷エンジンのみでスローで航行する事を試みましたが、舵が全く機能せず、危険を感じた為、曳航してもらう事を考え、グレートマリーン、吉川氏に電話するも、すぐに出動できない状態であると回答を貰い、その後、岩松氏に連絡し、他の船を持ち出し、曳航すべく救助に向かってくれる事を要請しました。
その後、左舷エンジンとスラスターのみの操船で、騙し騙し微速にて前進できることが判明した為、堀川のホームポートに回航することは断念し、近くのグレートマリーンに自走回航する事にしました。
午後8時
グレートマリーンの桟橋に到着。
原因の究明は明日クレーンにて上架して調べる事にし、タクシーにて帰路につきました。
平成27年11月1日
午後13時30分
グレートマリーンのクレーンにて船体を上架したところ、右舷スクリューに落下したはずの30m以上のチェーンの先端が巻きつき、アンカーを引きずってここまで航行してきた事が判明しました。
アンカーは先端が曲がり、アンカーチェーンは寸断され、船底には幾つものチェーン、アンカーで打たれた傷痕が残り、スクリューの羽の先端がひきちぎれ、削れ、悲惨な状態になっていました。
船が航行中、幾度も波に打たれ、その振動で、ウインドラス(アンカー巻き上げ装置)の落下防止ストッパーが切断、もしくは、落下防止ストッパーの掛け忘れが原因で、アンカーが落下し、そのショックでチェーンが寸断し、本来なら海底に沈むところ、船底のスクリューシャフトの助具に掛かり、
名古屋港までそれらを引きずった状態で航行、その後、名古屋港に入り、減速しチェーンが垂れ下がったところでスクリューを回したので巻きついたと推測します。
アンカー、アンカーチェーンを引きずり、伊勢湾を航行中に、船底にアンカーが掛かり、急激な減速を強いられ、船が横転、沈没の危険があった事を思い、胸をなでおろしている次第です。
何が起こるかはわかりません。
最大限の確認と危険予知をしているはずですが、
このような事故を引き起こしてしまいました。
これから損保ジャパン、保険屋さんに報告書を提出、
自分の過失事故の説明をしなければなりません。
みなさん、防げる事故は最大限の確認で防ぎましょう。